冷静な分析。だけど・・・
筆者が、ロンドンのビジネススクールで、授業をしていた時の、受け持ちの生徒を調査対象に、彼らのキャリアについての考えをまとめ、筆者が考察を加えたものです。 20代〜30代前半、30代〜40代、50代以上、各年代の男性女性が、数人ずつという構成で、年代別また性別の問題や考えが語られています。「彼らのキャリア」については、これまで、どのような人生を歩んできたか、自分のキャリアをどのように考えているか?なぜビジネススクール?これから、どうする気?等です。 それに、ヨーロッパの状況等を考慮した(彼らの考えについての)筆者の考えが書かれています。 特に、「あーしろ」「こーしろ」という本ではなく、対象者のインタビューや、筆者の冷静な分析が続きます。 ヨーロッパの人々の考えが良く伝わる本でした。 ただ、あまりに冷静すぎて、(何も考えてないためか、個人的には)ちょっと、暗い気分になりました。
応援歌として
本書の目的は学術的な説明にあるわけではなく、イギリスではこんなリストラさらされても頑張ってる人たちがいるんだ、というような応援歌であると見た方が良いだろう。 キャリア形成を30歳代までの前期、50歳ぐらいまでの中期、それ以上の後期と分けて、インタビューを行っている。特に30歳までの場合、イギリスでは大卒でも定職につけないまま過ごしている人がいる。これに関しては現在の日本でも言えることであり、参考にすべき点は多くあるように思える。 基本的に日本は会社の下僕となるが、イギリスの場合はどんな立場にあっても、あくまでも会社との対等な契約関係にたつ。このあたりを日本人がよく肝に銘じる必要がある。
内容は『英国のキャリア転機事例研究と戦略のキャリアチェンジ戦略の考察』
ちょっと、タイトルが内容とズレていると思いました。 初め、と最後はいいのですが、中盤全部、各キャリア年齢(初期、中期、後期)に応じた、英国人他のビジネスパーソンへのインタビュー内容と彼らの履歴、それに著者による、ちょっとした考察で、各ステージに、3人づつ、男女併せて、12例のインタビュー調査内容(各人のキャリアや考え方、教育環境など)が詳細に記録されていきます。これで、本書の大部分を占めます。最初の考察はためになり、読み始めましたが、途中から欧州でのキャリア人生の実例が長々と続きますので、「ちょっと違ったかな」と思いました。でも、我慢して読み進めているうちに、「そうか。日本人のキャリア事例でなく、また多面的にキャリアを知るためにも、こういうフィールド事例はためになるかもしれない」と思い始めました。最後は、以上の12人の「キャリア」事例を振り返って、では、戦略的に生きるとはどういうことなのか?を著者の見解を交えて述べられます。肝は最後の章です。「リストラを生き延びるための3つの知恵」「今を生きることの重要性」「戦略的に生きるための4つの考え方」「自覚的にキャリアデザインする」「会社まかせにせず自分でキャリアデザインする」などなど、はっと思わせるキーワードはここに全部出てくる、と言ってもいいです。英国では一般に「大企業はセキュアな職場ではない」という言葉と、「欧州人の世界観が日本人の世界観が違い、それがキャリアステップの考え方の相違にも影響している」(個人と職場の話重視 vs 会社と仕事の話がメイン)というのが印象的です。「直線的なキャリア」と考えるのか、「多様なパスが並行的に進む」と考えるか、によって、キャリアを支える社会環境も、国によって異なる、ということでしょうか。参考文献一覧もついており、丁寧な構成です。ですが、本書の性格は「著者の研究論文のための準備草稿」という気がしてなりません。私なりの理解では、出版の意図は「こういう考え方や実例もあります。参考になりませんか?」ということに受け止められますが、いかがなものでしょうか。
将来の日本のキャリア形成の一つのモデルを示す
イギリスにおける、転職を通じたキャリア形成の様々な例を若年層、中年、それ以降、女性のカテゴリー毎に紹介した書である。日本との違いは、自分自身の専門キャリア形成のために転職をいとわないこと、専門能力育成のための大学院など社会人教育システムが発達していること、何よりも、働いている人自身が自分のキャリアは自分で形成するという独立意識が強いこと、などである。 本書の内容は、こうしたイギリスの例の紹介にほとんどとどまっている。その意味で、今後日本におけるキャリア形成やその支援のあり方について、本書の続編とも言うべき書の刊行が期待されるが、本書に示されたイギリスの職業人のあり方は、変わりつつある日本の働き手にとって、大いに参考になる。
うーん。。。
何が目標でこの書物を書かれているのか不明。よく海外の事例をとりあげるのを経済学の分野では揶揄をこめて「出羽の神」アプローチというが、この本もまったく同じ。「イギリスでは・・・」という話ばっかりでした。というかタイトルからすると何か啓蒙的な書物かと勘違いしそうですが、単なる海外事例特集。それも非常に具体的であり、一般論として語れるとは思えません。この手のタイトルをつけるからには、嘘でもそれなりの方法論とかを載せておいてくれないと、読んだあとがっかりすること間違いなしです。
筑摩書房
企業ドメインの戦略論―構想の大きな会社とは (中公新書) マネジメントの世紀1901~2000 経営学入門 上 日経文庫 853 イノベーションの収益化―技術経営の課題と分析 働くひとのためのキャリア・デザイン (PHP新書)
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